増刊号 病理組織・細胞診のための日常染色法ガイダンス
15.細胞診の日常染色法
ギムザ染色
原田 弥生
,
川岸 克博
,
牛島 友則
pp.925-929
発行日 2001年6月15日
Published Date 2001/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905933
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目的
細胞を種々の色調に染め分けるロマノフスキー(Romanowsky)効果のあるギムザ染色(Giemsa stain)は,血液細胞や,その他非上皮性腫瘍を判断するのに適した染色法である.細胞診では液状検体,穿刺材料,リンパ節や組織のスタンプにパパニコロウ染色(Papanicolaou stain)と併用して行われる染色法である.検体を塗抹後すぐに乾燥固定し,スライドグラスに貼り付けてしまうので染色中の細胞剥離が少ない,細胞が大型化するので細胞内の顆粒の観察に適する,染色時間が短いので術中迅速診断に有用などの利点を持ち,日常の細胞診になくてはならない基本的な染色法である.
血液塗抹標本の普通染色には核の染色性に優れたギムザ染色と顆粒の染色性に優れたメイ・グリュンワルド染色(May-Grünwald stain)やライト染色(Wright stain)が一般的である.
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