技術講座 一般
ギムザ染色による髄液細胞の見方
伊瀬 恵子
1
1千葉大学医学部附属病院検査部
pp.837-842
発行日 2007年9月1日
Published Date 2007/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101818
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新しい知見
「髄液検査法2002」1)では,細胞は単核球(リンパ球,単球,組織球)と多核球(好中球,好酸球)に分類されるとしている.中枢神経系の病態,特に髄膜炎診断において,リンパ球優位か好中球優位かを判断することは,ウイルス性か細菌性かを診断するために必須の検査であり,迅速性という面からみても,フックス・ローゼンタル(Fuchs-Rosenthal)計算盤法(以下,計算盤法)は意義の高い検査法である.しかし,疾患によっては髄液中に腫瘍細胞を認める場合や,病態期により多種多様な細胞を認めることがある.サムソン染色液のフクシン色素単染色による計算盤法は,詳細に細胞を形態観察することには限界があり,髄液中の細胞塗抹標本を作製し,ギムザ系染色法による細胞観察が重要となる.
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