けんさアラカルト
キャピラリー電気泳動法の応用
宇治 義則
1
,
岡部 紘明
1
1熊本大学医学部臨床検査医学講座
pp.756
発行日 1998年8月1日
Published Date 1998/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903578
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キャピラリー電気泳動法(capillary electrophoresis;以下CE)は,基本的には電気泳動法でありながらクロマトグラフィー的な面も合わせ持つ分析法である.電気泳動法はセルロースアセテート膜などの担体と各種染色法を併用した膜電気泳動法が,またクロマトグラフィーは高速液体クロマトグラフィー(highperformance liquid chromatography;HPLC)として臨床検査領域では汎用されている.これらとCEの大きな違いは,CEは支持体に微細なキャピラリーカラムを使用する無担体電気泳動(カラムは再生利用可能)であること,HPLCが多量の溶離液を必要とするのに比べ,n1レベルの電解液量,数n1の試料のみで分析が可能であることなどである.したがって,分析コスト低減が叫ばれる今日,臨床検査領域にとっては願ってもない分析法といえる.
CEの汎用機器はアメリカを中心に上市され,今までにアミノ酸,蛋白質,糖質,核酸,生理活性物質,薬剤,ビタミン,遺伝子診断などの分析法が数多く報告されている.
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