増刊号 血液検査実践マニュアル
Part 2 血球計数検査
1.血球計数検査
6)データの読みかたとコメントの付けかた
宮地 勇人
1
1東海大学医学部臨床病理学教室
pp.709-715
発行日 2000年6月15日
Published Date 2000/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905429
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赤血球検査
1.疾患・病態
貧血の原因は,赤血球動態に基づいて,赤血球の喪失(出血),破壊の充進(溶血),成熟赤血球の産生不良(骨髄疾患,慢性疾患)に大別される(表1)1).貧血の存在は,白血病,骨髄異形成症候群,多発性骨髄腫など骨髄疾患をはじめ,癌,慢性感染症,慢性炎症性疾患,慢性腎疾患や内分泌機能低下などの診断のきっかけとなる.
赤血球増加の原因には,赤血球数が絶対的に増加する骨髄増殖性疾患(真性多血症など),続発性多血症(心肺機能異常など)および相対的多血症(ストレス多血症など)がある(表2).
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