増刊号 血液検査実践マニュアル
Part 2 血球計数検査
1.血球計数検査
5)自動測定法の実際 d)網赤血球数
武内 恵
1
1慶應義塾大学病院中央臨床検査部
pp.703-708
発行日 2000年6月15日
Published Date 2000/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905428
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
はじめに
網赤血球の自動測定はレーザーフローサイトメトリーの出現により,1988年,世界に先がけてわが国で初めて自動網赤血球測定装置R-1000(シスメックス社)1)が開発された.全血で迅速簡便に多数検体処理可能となり,従来の目視法では困難であった未熟網赤血球の比率も簡単に測定できるようになった.それにより未熟網赤血球測定は骨髄移植や末梢血幹細胞移植後,あるいは白血病や癌の化学療法後の赤血球造血の新たな指標として臨床的有用性が報告されている.
現在,網赤血球の自動測定には半自動測定,つまり塗抹染色標本を用いるパターン認識原理による自動測定法や,あらかじめ血液を希釈染色し,汎用型のフローサイトメーター(網赤血球測定専用機ではない)で測定する方法などもある.しかし,ここでは検体の前処理が不要な全自動網赤血球測定について解説する.
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.