増刊号 血液検査実践マニュアル
Part 2 血球計数検査
1.血球計数検査
7)再検基準
宮地 勇人
1
1東海大学医学部臨床病理学教室
pp.716-719
発行日 2000年6月15日
Published Date 2000/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905430
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
赤血球検査
1.緊急異常値,パニック値
輸血など臨床的処置の判断を必要とする緊急異常値および測定誤差を示唆する異常値においては,測定過程で技術的誤りがなかったかどうかを確認する(表1)1,2).緊急異常値はヘモグロビン5g/dl(幼児7g/dl)以下,18g/dl(幼児21g/dl)以上である.通常,ヘモグロビン7%以下で貧血症状が出現する.自動血球計数器による末梢血血球算定において,血液検体の異常に起因するさまざまな人為的な検査値の変化が生じる.MCHC異常値は,ヘマトクリットやヘモグロビン両者における測定誤差を反映する可能性がある.赤血球内のヘモグロビン飽和溶解度は37g/dl近くにあり,遺伝性球状赤血球症と一部のヘモグロビン異常を除きMCHCが37%以上になることはない.これ以上の場合,測定誤差要因を検討し再検する.本来,ヘマトクリットとヘモグロビンとの比は3:1になる.この比から解離した検体は再検が必要である.
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.