技術講座 病理
観察のポイントと撮影—電子顕微鏡の技術[2]
山崎 家春
1
1井上記念病院医療技術部検査科
pp.21-28
発行日 1998年1月1日
Published Date 1998/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903313
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新しい知見
通常使用されている電子顕微鏡で加速電圧を80〜120kVで使用した場合,電子線が試料切片を透過できる厚さは約300nmであり,鮮明な像が観察できる.厚い試料切片を観察するには,より高圧の加速電圧を使用することで可能になるが,像は不鮮明になる.高圧電子顕微鏡を使用し,厚みのある試料切片を撮影した後,試料切片に傾斜をつけ,角度を変えて同一場所を撮影して,その2枚の写真を並べてステレオ観察法で見ると,立体感のある像として見ることができる.この方法で,試料切片の厚さの分だけ,対象物の連続性や方向性を立体的に確認することが可能になってきている.
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