技術講座 生理
除細動器の取り扱いかた
原 正壽
1
1聖マリアンナ医科大学第2内科
pp.29-34
発行日 1998年1月1日
Published Date 1998/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903314
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新しい知見
ようやく日本でも救命救急士制度が発足し,多くの救急救命士が活躍するようになってきた.救命救急士に最も期待されるのが,半自動除細動装置(図10)による救命処置である.半自動除細動器は,もともと米国で研究・開発された.米国では心筋梗塞による死亡率が高く,また地理的に病院が散在することから,救急搬送中の不整脈死が多いことがその理由である.日本においても生活の欧米化に伴い,心筋梗塞の発症が増加している.心筋梗塞急性期では心室細動が発生しやすく,病院に到達する前に多くの患者が不整脈で命を落とす.この装置は,心室頻拍や心室細動を自動的に感知し,除細動可能となる装置である.ただし,実際に除細動のスチッチを押すのは,救命救急士自身であり,半自動と呼ばれるゆえんである.
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