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腎生検の電子顕微鏡観察・撮影のコツ
矢野 哲也
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1埼玉県立大学保健医療福祉学部健康開発学科検査技術科学専攻
pp.1342-1344
発行日 2020年12月1日
Published Date 2020/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543208213
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はじめに
腎生検に対する透過(型)電子顕微鏡(transmission electron microscope:TEM)観察は,慢性糸球体腎炎やアミロイド腎症などの症例において有用である.腎糸球体への沈着物〔高電子密度沈着物(electron dense deposit:deposit)〕や基底膜注の肥厚,上皮細胞足突起の癒合など,微細な変化を捉えることができる.病理診断は,臨床情報,HE(hematoxylin-eosin)染色やPAM(periodic acid methenamine silver)染色,PAS(periodic acid Schiff)反応など特殊染色,蛍光抗体法または酵素抗体法による免疫組織化学的検索の結果などとともに総合的に判断される.
今回,TEM観察や撮影について,比較的頻度の高い症例を用いて解説する.
注:病理検査において,基底膜はTEM観察において用いられ,HE染色などの光学顕微鏡観察では係蹄壁と呼ばれることが多い.
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