検査法の基礎
電子顕微鏡観察に用いられる凍結技法
鈴木 季直
1
1帝京大学医学部第二生理学教室
pp.311-318
発行日 1993年4月1日
Published Date 1993/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901447
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サマリー
細胞が多量の水を含むことは細胞がその機能を十分に発揮するために重要な意味を持っており,細胞の機能と構造を研究する場合には水を含む生きたままの状態の細胞を対象にするのが最も望ましいことである.しかし,水を含んだ細胞をそのまま電子顕微鏡で観察することは基本的に難しく,その結果,できる限りその状態に近い細胞を観察するための凍結技法が開発された.どのようにすればできる限り生きた状態に近い細胞の凍結ができるのかということを明らかにするために初めに凍結の原理について解説し,次に,急速凍結法の実際とさまざまな凍結技法の応用によりどのような電子顕微鏡による観察がなされているかについて概説した.
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