日常染色法ガイダンス 結合組織の日常染色
PAM染色
岡本 京子
1
1虎の門病院病理第1検査室
pp.1147-1150
発行日 1997年12月1日
Published Date 1997/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903296
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
目的1)
腎糸球体は図1に示すように複雑かつ有機的な毛細血管毬で,基底膜の外側は上皮細胞に覆われ,内側は内皮細胞と毛細血管を支えるメサンギウムで構成されている.メサンギウムはメサンギウム細胞と,細胞間を埋めるメサンギウム基質とからなっている.図2は係蹄壁の模式図を示す.通常,HE(ヘマトキシリン・エオジン)染色は上皮細胞,基底膜が一緒に染まるので,内皮細胞が少し厚くなっても係蹄壁の肥厚としか表現できない.しかし,PAM(過ヨウ素酸メセナミン銀)染色は基底膜そのものが染まるので,基底膜という用語を用いて所見を述べることができる方法である.同じ基底膜を染めるPAS(過ヨウ素酸シッフ)染色との相違点は,膜性腎症のときにみられる基底膜ならびに外側に向かって,ほぼ直角に出ている小さい棘状の小突起(spikes)をクリアーに染め出すことである(電顕写真,図3).
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.