増刊号 病理組織・細胞診のための日常染色法ガイダンス
2.結合組織の日常染色法
c)細綱(好銀)線維の染色法
PAM染色
岡本 京子
pp.672-675
発行日 2001年6月15日
Published Date 2001/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905853
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目的1)
腎糸球体は図1に示すように複雑かつ有機的な毛細血管毬で,基底膜の外側は上皮細胞に覆われ,内側は内皮細胞と毛細血管を支えるメサンギウムで構成されている.メサンギウムはメサンギウム細胞と,細胞間を埋めるメサンギウム基質とからなっている.図2は係蹄壁の模式図を示す.通常,ヘマトキシリン・エオジン染色(Hematoxylin-Eosin stain)は上皮細胞,基底膜が一緒に染まるので,基底膜そのものの変化を確実にとらえることはできない.しかし,PAM染色(Periodicacid-methenamine-silver stain;過ヨウ素酸メセナミン銀染色)は基底膜そのものが染まるので,基底膜という用語を用いて所見を述べることができる方法である.同じ基底膜を染めるPAS反応(periodic acid Schiff reaction;過ヨウ素酸シッフ反応)との相違点は,膜性腎症のときに見られる基底膜ならびに外側に向かって,ほぼ直角に出ている小さい棘状の小突起(spikes)をクリアに染め出すことである(電顕写真,図3).
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