検査データを考える
異常ヘモグロビン—不安定ヘモグロビン溶血性疾患の検査所見
大庭 雄三
1
1山口大学医学部臨床検査医学講座
pp.679-682
発行日 1997年7月1日
Published Date 1997/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903187
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はじめに
ヘモグロビン(Hb)は2個のαサブユニットと2個のβサブユニットからなる四量体分子で,分子量約65,000,親水性に富み,赤血球内に340g/lもの高濃度に詰め込まれている.Hbの異常によって起こる病気としては,おおよそ次の6種類がある1,2).
(1)微小循環閉塞を特徴とする鎌状赤血球症(sickle cell disorder;SCD)(HbSホモ接合またはHbSと他のβ鎖異常との複合ヘテロ接合)
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