技術講座 生化学
フリーT3,フリーT4の測定法
内村 英正
1
1杏林大学医学部臨床病理学教室
pp.113-119
発行日 1997年2月1日
Published Date 1997/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902982
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
新しい知見
抗体標識法
イムノアッセイによる遊離サイロキシンの測定法の問題点は総サイロキシンの0.03%という極めて微量であることと,検体血清中に含まれるサイロキシン結合蛋白による干渉をいかに防止するかである.
この点に関する解決策として最近現れた測定法が抗体標識法である.原理としては競合法であり,一定量の標識抗体を固相化リガンドと検体中の遊離ホルモンが競合するシステムである.この系では固相として磁性微粒子を用いT4との競合リガンドとしてT3を用いている.T3を用いる理由は,T4に比較してTBGや抗T4抗体との結合親和性が弱いことで固相T3とTBGとの結合が避けられるが,T4との競合には影響しないことによる.
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.