病気のはなし
アトピー性皮膚炎
佐々木 りか子
1
1国立小児病院皮膚科
pp.106-111
発行日 1997年2月1日
Published Date 1997/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902980
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新しい知見
アトピー性皮膚炎の病態生理については,不明な点が数多く残されているが,現在のところ大きく分けると,アレルギー面と非アレルギー面に二分されると考えられている.ことに最近,非アレルギー面における原因として,角質のバリア機能障害に注目が集まっている.バリア機能障害とは,本来角層が持つべき皮膚の保護機能であるが,この役目を果たすには,角層の脂質量と水分量が正常域にあることが必須である.しかし,本疾患の患者は角質細胞内および角質細胞間の脂質量が低下しており,その原因として脂質合成に必要な酵素異常が指摘されている.
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