検査報告書の書きかた 生化学検査・1
酵素欠損症の検査—遺伝性変異に関する検査の報告
菅野 剛史
1
1浜松医科大学臨床検査医学講座
pp.63-66
発行日 1997年1月1日
Published Date 1997/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902968
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はじめに
遺伝性変異で酵素欠損が証明されるのは,大部分は臨床症状を背景に検索がなされて形質異常の検索で活性低下(または欠損)が証明され,かつ遺伝子異常が確認されたものである.しかし,検査室では,今の時点で臨床症状を伴わなくても,特定の疾患のハイリスク群であるとか,重篤な遺伝性疾患の保因者の可能性が見いだされる場合がある.
これらの症例に対する対応で,遺伝子の検索がなされる場合,またフェノタイプ分析に限定されるにせよ,遺伝に関連する(特に遺伝子の)検査は,それぞれの“個体”を認識できる重要な情報であることから,プライバシーの保護という観点からも,基本的には日本人類遺伝学会が提案した「遺伝性疾患の遺伝性診断に関するガイドライン」は参考にされなければならない.
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