TOPICS
フエロキラターゼ欠損の性状と分子変異
竹谷 茂
1
1関西医科大学衛生学教室
キーワード:
フェロキラターゼ
,
骨髄性プロトポルフィリア
,
HPLC
,
遺伝子解析
Keyword:
フェロキラターゼ
,
骨髄性プロトポルフィリア
,
HPLC
,
遺伝子解析
pp.1265-1266
発行日 1993年11月15日
Published Date 1993/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542901813
- 有料閲覧
- 文献概要
光線過敏症を伴う骨髄性プロトポルフィリア症(EPP)は,ヘム合成経路酵素系の最後に位置するフェロキラターゼの欠損によって引き起こされる常染色体優性の遺伝病である.本酵素は生体内ではプロトポルフィリンIXに二価鉄を導入する反応を触媒する.EPP患者もしくは,その保因者の種々の組織における本酵素活性は,一般に正常の半分であるため,特に患者では,赤血球中のプロトポルフィンが増加し,肝臓に捕捉されることが知られている.
最近開発された簡便かつ高感度な本酵素活性の検査方法としては,液体クロマトグラフィ(HPLC)法がある1).すなわち,末梢リンパ球細胞液に亜鉛とポルフィリンを加えて反応させ,生成した亜鉛―ポルフィリンをHPLCで分離定量するものである.この方法によるEPP患者の活性は1.1~1.35μmol/l亜鉛―メソポルフィリン/時/mg蛋白質であり,この値は正常者のそれの約40%に相当する(図1).
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.