増刊号 臨床生理検査実践マニュアル画像検査を中心として
Ⅰ.超音波検査法
3.検査の実際
2)上腹部
(3)膵臓 臨床像と病理組織像との対比
諸星 利男
1
1昭和大学医学部第一病理学教室
pp.79-80
発行日 1995年4月15日
Published Date 1995/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902320
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膵の炎症
1.急性膵炎
発作性の上腹部痛や圧痛などを伴う急性腹症として始まり,血中および尿中アミラーゼ値の上昇を伴う.重症(劇症)急性膵炎の場合はショック状態となり,また敗血症や多臓器不全(multiple organ failure;MOF)と合併し,予後は極めて重篤である.交通事故などによる外傷性膵炎や遷延化した急性膵炎ではしばしば膵仮性嚢胞を合併する.肉眼的には膵の出血あるいは脂肪壊死が認められ,重症例では膵にとどまらず大網や腸間膜,さらには腹部全体に広がり,しばしば腹水を合併する.組織学的に出血および脂肪壊死が確認される.
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