増刊号 臨床生理検査実践マニュアル画像検査を中心として
Ⅰ.超音波検査法
3.検査の実際
5)腎・泌尿器
(1)腎臓・副腎 臨床像と病理組織像との対比
河合 竜子
1
1虎の門病院病理学科
pp.120-121
発行日 1995年4月15日
Published Date 1995/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902331
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はじめに
超音波検査の良い対象となり,かつ重要な腎病変は,腫瘍性病変である.悪性腫瘍としては,腎細胞癌(Grawitz腫瘍)が最も頻度が高く,超音波像では一般に高エコーレベルの腫瘍として描出される.良性腫瘍としては,血管筋脂肪腫(angiomyolipoma),腎線維腫,血管腫,腎腺腫などが挙げられる.一方,正常腎の超音波像と比較して,腎皮質の幅が狭く腎臓が萎縮していれば,腎臓全体に変化を及ぼす糸球体病変が推察され,表面の粗大凹凸不整な変化は,陳旧性腎梗塞巣が推察される.左右腎臓のサイズ差が認められる場合は腎動脈レベルの閉塞,あるいは狭窄の可能性が考えられるので,左右腎の比較は重要である.表に超音波検査の際に参考になると思われる腎病変を挙げた.以下,その臨床像と病理像を述べていく.
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