増刊号 臨床生理検査実践マニュアル画像検査を中心として
Ⅰ.超音波検査法
3.検査の実際
2)上腹部
(3)膵臓 検査の進めかた
秦 康博
1
,
久 直史
2
1高知医科大学放射線医学教室
2高知医科大学附属病院放射線部
pp.73-75
発行日 1995年4月15日
Published Date 1995/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902318
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超青波解剖および走査方法
膵は第1〜2腰椎の高さで存在する後腹膜臓器であり,上方は肝,下方は横行結腸,前方は肝と胃,後方は大血管系と左腎,右方は十二指腸,左方は脾に囲まれる臓器である(図1).膵癌取扱い規約1)では頭部(Ph)・体部(Pb)・尾部(Pt)の3部に分けられる.頭部と体部とは上腸間膜静脈・門脈左側縁によって境界され,境界部は頸部とも呼ばれる.頸部および鉤状突起は頭部に含まれる.
超音波検査の前処置として,禁食を原則とする.膵の観察に際して,最も問題となるのは消化管内のガスである.特に肥満のため胃が膵の前方に位置する場合は胃のガスが膵体部から尾部を隠す.その場合は約400mlの水(脱気水あるいは湯冷ましが望ましいが,水道水でも目的は達せられる)を飲ませて,水で充満した胃や十二指腸を音響窓(acoustic window)として観察するとよい(図2).
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