技術講座 病理
走査電顕の病理診断への応用—膀胱癌
柴田 雅朗
1,2
,
白井 智之
2
,
福島 昭治
1
1大阪市立大学医学部第一病理学教室
2名古屋市立大学医学部第一病理学教室
pp.1075-1080
発行日 1992年12月1日
Published Date 1992/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901345
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サマリー
走査電顕的に膀胱移行上皮癌の表層細胞表面を観察すると,特徴ある形態学的変化がみられる.その中でも長短不ぞろいの切株状の微細絨毛pleomorphic microvilliの出現はとりわけ重要である.膀胱癌の組織異型度(G1〜3)にほぼ相関して,この絨毛の出現数が増加し,その形態も多様化する.このような変化は初期癌にも観察され,走査電顕を尿細胞診に簡便に応用できれば,膀胱癌の早期発見・診断が可能となりうる.
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