Japanese
English
原著
水疱性類天疱瘡の走査電顕像
Scanning Electron Microscopic Observation of Bullous Pemphigoid
大草 康弘
1
,
長島 正治
1
,
高田 邦昭
2
,
平野 寛
2
Yasuhiro OOKUSA
1
,
Masaji NAGASHIMA
1
,
Kuniaki TAKATA
2
,
Hiroshi HIRANO
2
1杏林大学医学部皮膚科教室
2杏林大学医学部解剖学教室
1Department of Dermatology, Kyorin University School of Medicine
2Department of Anatomy, Kyorin University School of Medicine
pp.607-611
発行日 1983年7月1日
Published Date 1983/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202870
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水疱性類天疱瘡2例の新旧多数の水疱を主として走査電顕下に観察し,次の結果を得た.
新しい水疱の水疱膜底面には変性した基底細胞の残存が認められた.これら細胞の細胞間橋は伸長していた.
古い水疱の水疱膜底面に基底細胞は認められず,水疱膜底は有棘層の細胞に由来すると考えられる扁平な細胞により構成されていた.これら細胞の表面には多数の微絨毛がみられた.本症における抗基底膜抗体は近年,基底細胞とも反応することが知られているが,われわれの観察は抗体の結合に基づく反応により,lamina lucidaのみならず基底細胞も障害され,これが変性・脱落した結果,二次的に有棘細胞が水疱膜底構成細胞となる過程を示したものと考えられる.
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