増刊号 尿検査法
II.各論
24.尿細胞診
(1)尿細胞診の臨床的意義
関根 英明
1
1帝京大学医学部附属溝口病院泌尿器科
pp.296-297
発行日 1992年5月15日
Published Date 1992/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901157
- 有料閲覧
- 文献概要
尿細胞診の歴史と特殊性
今日,尿細胞診の臨床的有用性は広く認められているが,歴史的にみると,それは比較的最近の発展によるところが大きい.
近代尿細胞診の実質的幕開けはPapanicolaou and Marshall(1945)の報告によるといわれている.しかしながら,報告者によって尿細胞診の診断精度に大きな開きがあったことや,偽陽性率がかなり高かったことなどにより,その有用性はなかなか認められるに至らなかった.一方で,内視鏡や尿路造影法などの画像診断技術には急速な発展がみられ,尿細胞診は取り残される状況となっていた.
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.