マスターしよう検査技術
表面筋電図検査法
黒岩 義之
1
,
渡辺 知司
1
,
黒川 峰夫
1
1虎の門病院神経内科
pp.423-429
発行日 1992年5月1日
Published Date 1992/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901032
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〔I〕表面筋電図検査とは何か
各種の神経生理学的検査の中で,筋電図検査は脳波や誘発電位検査と並んで重要な位置を占める.筋電図検査は針電極を用いて運動単位電位を記録する針筋電図と表面電極を用いて筋腹全体の動きを記録する表面筋電図に大別される1).針筋電図は個々の神経単位の活動を調べることができるのに対し,表面筋電図はそれらの集合電位を導出する検査法である.
表面筋電図を記録する目的は①安静時における不随意運動の記録,②随意運動時における骨格筋の相反性活動や模倣性連合運動の記録,③受動的な関節運動時における筋固縮の評価,④末梢神経電気刺激によるM波,F波,H波,長ループ反射の記録,⑤反射性ミオクローヌスの記録2)など多彩である.ベッドサイドでの観察に基づき,何を知りたいか具体的な目的を把握して表面筋電図を記録することが大切である.
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