臨床検査のピットフォール
良質な細胞診ギムザ染色標本を作製するうえでのコツ・ポイント
急式 政志
1
1埼玉県立小児医療センター検査技術部
pp.866-868
発行日 2023年8月1日
Published Date 2023/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543209064
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はじめに
ギムザ染色はパパニコロウ染色とは異なる細胞所見が得られ,特に白血病やリンパ腫などの血液系疾患や体腔液検体の細胞診判定において,非常に有用な染色である.さらに乾燥塗抹を行うギムザ染色では,湿固定を行うパパニコロウ染色に比べて,約3倍の細胞保持率が得られるとされている1).しかし同時に,乾燥方法や検体の性状によって染色性の違いやアーチファクトが起きやすく,染色手法によっても染色性が左右されるため,安定して良質な標本を作製することが難しい染色でもある.
本稿では,細胞所見を得やすい良質なギムザ染色標本を作製するうえでのコツ・ポイントについて解説する.
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