Laboratory Practice 〈病理〉
病理標本でのギムザ染色のコツ
中村 厚志
1
1市立札幌病院検査部
pp.1400-1405
発行日 2009年11月1日
Published Date 2009/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102681
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はじめに
血液検査で“普通染色”と称されているギムザ(Giemsa)染色は,末梢血液や骨髄液標本での血液細胞の観察・鑑別のための染色として従来から広く用いられている.また,細胞診検査では体腔液や尿などの液状検体,穿刺吸引細胞診材料の塗抹標本観察でのギムザ染色の有用性は誰もが認めるところである.
病理組織標本でも骨髄やリンパ節などの造血組織での細胞形態観察にギムザ染色が重宝されている.しかし,均一な薄切標本作製技術,染色標本のコントラスト,核内構造および細胞質の色合い,赤血球の色調,細胞質内顆粒の染色性などに注意が必要で安定した染色性が得られないことがある(図1).
そこで病理標本でのギムザ染色の留意点を述べ,安定性のある染色標本作製に迫る.また,当院で行っている骨髄液標本作製の紹介をする.
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