技術講座 遺伝子・染色体
マイクロアレイ染色体検査
涌井 敬子
1
1信州大学医学部遺伝医学教室
pp.440-449
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543208954
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Point
●マイクロアレイ染色体検査は,分染法では検出が困難な微細な染色体(ゲノム)の不均衡を検出することを目的に開発された,網羅的遺伝学的検査の1つである.
●CGH+SNPアレイは,CNV検出用のCGHプローブと,既知のSNP検出用のSNPプローブを搭載しており,制限酵素処理とCGH解析により,検査対象のCNVとcnLOHを同時に検出する.
●プローブは,ゲノム全域に,疾患の原因となるターゲット領域には高密度に配置されているが,繰り返し配列領域には配置されていない.
●均衡型染色体構造異常は検出できない.CNVに伴う染色体再構成や,男性における偽常染色体領域のCNVがXかYかを特定するためには,分裂像FISH法による追加解析が必要である.
●検出される各CNVと各cnLOHは,病的,非病的だけでなく現時点で臨床的意義が不確定なものも含まれるため,それぞれの臨床的影響については,さまざまなデータベースや文献などを検討し解釈する必要がある.
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