技術講座 病理
—step up編—液状化検体細胞診による病理細胞診検査の標準化と精度管理
梅澤 敬
1
1東京慈恵会医科大学葛飾医療センター病院病理部
pp.1379-1387
発行日 2019年12月1日
Published Date 2019/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543207835
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Point
●液状化検体細胞診(LBC)は病変部の擦過や穿刺吸引で得られた検体を,専用の保存液が入ったボトルに回収し,検査を簡便化・合理化したシステムである.
●LBCは検体の回収から標本作製が標準化され,再現性のある標本を作製する細胞診システムと定義される.一方,検体を直接塗抹後,採取器具に付着した細胞を保存液中に洗い出し,2種類の標本作製をすることをsplit sample法と定義され,純粋なLBCとは異なる.
●LBCは鏡検の阻害となる赤血球,粘液などは除去されるため,標本には目的の細胞が均一に集約される.
●LBC標本作製後の余剰検体は,セルブロック作製,免疫染色,遺伝子検査など,従来法では困難であった検索が可能である.子宮頸部擦過細胞診では,子宮頸癌と関連する高リスクヒト乳頭腫ウイルス(HR-HPV)核酸タイピング検査に利用できる利点がある.
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