増刊号 現場で“パッ”と使える 免疫染色クイックガイド
1章 こんなときどうする? 免疫染色の“困った”を解決
困った⑤ 切片の剝離が激しい
検体処理に問題がある
山田 寛
1
1慶應義塾大学医学部腫瘍センターゲノム医療ユニット
pp.986-993
発行日 2018年9月15日
Published Date 2018/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543207333
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固定液浸透不良
■原理・原因
固定の良し悪しはその後の染色や遺伝子検索の質に多大な影響を与える(1章 p.920-926参照).素早く固定液に漬けることが大事であるが,ただ漬ければよいというものではない.固定液の量,固定容器と臓器の大きさの関係,固定促進法など,素早く臓器の中心まで固定液が浸透するようにしなくてはならない.もし浸透不足が起こった場合,その後の処理でパラフィン浸透不良などを引き起こし,切片が剝がれやすくなる.また,染色ムラなどの染色不良標本が出来上がるため,一口に固定といってもさまざまな工夫が必要である.
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