マスターしよう検査技術
検査室における廃液と検体の処理
岡田 淳
1
,
志賀 淳治
2
1関東逓信病院総合検査科
2東京大学医学部附属病院病理部
pp.1511-1518
発行日 1989年11月1日
Published Date 1989/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205744
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[A] 血液・微生物・生化学・一般検査
医療廃棄物(medical waste)が注目されている.従来,病院から廃棄されるゴミは産業廃棄物として規制されていたが,一昨年来のB型肝炎患者からの針刺し死亡事故やAIDSの問題を契機に,医療廃棄物の適正処理をせよとの要望が高まり,行政(厚生省,都道府県)もガイドラインの作成作業を進めている.病院から排出されるゴミの80%は医療廃棄物に該当するが,中でも感染を媒介する可能性のある感染性廃棄物(infectious waste)が重要となる.
廃棄物の処理は,分別(収集),中間処理,最終処分に分けられる.「分別」は廃棄物を処理しやすいように区分する(注射針,血液付着物など)ことである.「中間処理」については,院内で自己処理(滅菌,焼却など)を行うのが理想的であるが,できない場合は専門の処理業者に委託する.最終処分は原則として高炉(1000℃以上)での焼却後に埋立てに供することになる.
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