増刊号 現場で“パッ”と使える 免疫染色クイックガイド
2章 目でみる 免疫染色良い例・悪い例
検体の取り扱い
山田 寛
1
1慶應義塾大学医学部腫瘍センターゲノム医療ユニット
pp.1000-1004
発行日 2018年9月15日
Published Date 2018/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543207337
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切片の保管温度の差による染色性の比較
■薄切後の抗原劣化
スライドガラスに拾われた切片は通常,伸展器などでよく乾燥した後にすぐに染色を行う.しかし,研究や検討などで薄切後すぐに染色せずに,数日後から長ければ数カ月後に染色することもある.このとき,同様の抗体,方法で染色しても,薄切直後の切片を用いた染色結果と数カ月後の切片を用いた染色結果では,染色強度や染色性に違いがみられることがある.このことから,パラフィン切片においても,経時的な抗原性の減弱(失活)があることがわかる.これは長期保管によって抗原が空気と接触し酸化することや,熱や紫外線などの影響があるためとされている(図1).
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