今月の主題 今日の血液形態学
血小板の形態
骨髄増殖性疾患と血小板の異常
大熊 稔
1
Minoru OKUMA
1
1京都大学医学部・第1内科
pp.1226-1227
発行日 1980年8月10日
Published Date 1980/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216638
- 有料閲覧
- 文献概要
はじめに
骨髄増殖性疾患(MPD)には急性型,すなわちDi Guglielmo症候群,急性骨髄性白血病および急性骨髄線維症と,慢性型すなわち本態性血小板血症(病)(ET),真性多血症(PV),慢性骨髄性白血病(CML)および骨髄線維症(MF)があり,急性型では一般に血小板は減少し出血素因が招来される1).慢性型では血小板が減少せず,むしろ著明な増加を伴うにもかかわらず出血傾向の見られることが少なくなく,また血栓症を合併することも多い1).このような慢性MPDの出血ないし血栓傾向の発現機序は十分解明されていないが,近年これらの患者における血小板の機能異常とその機序が検討され,上記の病態との関係が注目されている.そこで以下には,慢性MPD(以下単にMPDと記す)における血小板の異常につき,最近の知見を中心に記述したい.
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.