けんさ質問箱
X-R管理図はどんな内容を管理しているのか
五十嵐 富三男
1
,
Y生
1虎の門病院臨床化学検査部
pp.90-93
発行日 1989年1月1日
Published Date 1989/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204848
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問 臨床検査領域で用いているX-R管理図法は,どのような性質のバラツキを管理しているのですか.またXの管理限界をXの±2SDでとれば,どんなデータが出ていてもそれなりに全体の95%が入ってしまいますが,それでよろしいのでしょうか.(大阪・Y生)
答 1.X-R管理図法がどうして必要になったか
発端となったものは,1947年にBerk-Sunderman1)が発表した各病院間の検査データの実態調査結果であった.日常検査7項目について同一試料による一斉分析を試みたところ,参加した施設が代表的施設(n=60)であったにもかかわらず各検査室のデータのバラツキは予想以上に大きく,7項目すべてに合格した施設はただの1か所もないという驚くべき実態であった.この検査データのバラツキを改善するために1950年LeveyとJennings2)はすでに生産工場で工程管理に利用されていた統計学的品質管理法(statistical quality control method)を臨床化学検査に導入した.Leveyらによって紹介されたX-R管理図法は検査データのバラツキが各病院間のみならず,各検査室内においても発生することを実証した.
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