技術講座 生化学
X-R管理図をうまく使うために
大場 操児
1
1独協医大病院中検
pp.58-59
発行日 1973年11月1日
Published Date 1973/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200299
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完成されたオートメーション工場で作られ市販されている製品は,常に一定の規準に合格したものが出荷されている.われわれの周囲にある家庭電化製品,自動車なども例外ではない.しかし現実には危険な電子レンジ,欠陥自動車が市中に出まわりマスコミをにぎわしている.
われわれの生化学検査室もこれと似た姿を示しているようである.病棟に返却された検査結果は技師が生み出した製品であり,報告にあたっては成績管理という厳しい規格のもとに病棟に出荷している.この製品管理方式は一般にX-R管理図によっている.もちろん電気製品同様にユーザーである医師より検査結果にクレームのつくことがしばしばある.このクレームの原因を探るうえに有力な情報を提供しているのがX-R管理図である.検査室としてはクレームのつく前,すなわち製品を出荷する前に測定値の異常に気がつけば不良品を修理(再度検査して確かめる)してから出すことになってよいのであるが,なかなかそうはゆかない.技師に的確なピペッティング,正しい測定機器の使用,異常反応を見のがさない観察眼が要求されている理由である.
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