検査ファイル 用語
プレカリクレイン,カリクレイン
朝倉 英策
1
,
松田 保
1
1金沢大学第三内科
pp.1134-1135
発行日 1987年9月1日
Published Date 1987/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204270
- 有料閲覧
- 文献概要
1926年,FreyとKrautはイヌ尿中に降圧物質の存在することを発見し,同じ物質が血中や膵にも存在することを認め,これを膵由来の酵素と考えて,ギリシャ語の膵を意味するKallikreinと名づけた1).
カリクレインは,膵,腎,尿,顎下腺などに分布する腺性カリクレインと,肝由来で血中に存在する血漿カリクレインに分けられる.上述の尿中カリクレインは,腎で産生されるカリクレインの一部が排泄されるもので,腺性カリクレインに属する.腺性カリクレインは,存在臓器において血流調節を介して,臓器機能の調節に関与し,血漿カリクレインは,凝固線溶の面でなんらかの役割を果たしていると考えられている.ただし,血中に存在するカリクレインの中には,腺性カリクレインが移行したものも存在することが近年明らかになり,例えば膵炎では腺性カリクレインの上昇を認める2).
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.