今月の主題 血液凝固検査と合成基質
技術解説
合成ペプチド基質による血漿プレカリクレイン,血漿カリクレイン・インヒビターの測定
加藤 正俊
1
Masatoshi KATOH
1
1東京医科大学臨床病理学教室
pp.854-862
発行日 1983年8月15日
Published Date 1983/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911935
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血漿プレカリクレイン(PKA)は陰荷電物質表面上において,XⅡ因子,XⅠ因子および高分子キニノゲン(HMWK)の存在下で血漿カリクレインに変換される.そして,この血漿カリクレインはプロテアーゼとしての活性を持つようになり,フィードバック機構としてXⅡ因子を活性化するとともに高分子キニノゲンに働いてブラジキニンを遊離させる.血漿プレカリクレインはこのように,血液凝固開始機構やキニン系開始機構と密接な開連を有することが知られている.また,血液中には血漿カリクレインに対する阻害因子としてC1-インアクチベーター(C1-INA),α2-マクログロブリン(α2-M),アンチトロンビンⅢ(AT-Ⅲ)などが存在し,血漿カリクレインは速やかに失活する.
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