私たちの本棚
検査室からも見ていたい—小説・土光臨調—牧 太郎 著
木下 徳康
1
1防衛医科大学校第3内科
pp.1184
発行日 1986年10月1日
Published Date 1986/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203875
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昭和60年4月に電々公社が民営化(NTT)された.国鉄も民営化に向けて労使共同宣言(国労を除く)を発表した.私たちのかかわる医療においても昭和60年3月1日から健康保険点数改定が実施され(本誌vol.14 no.1,佐藤乙一「保険点数改定の解釈」に詳しい),また61年1月9日には厚生省が,現存する国立病院・療養所239施設を10年計画で約30%減の165施設に統廃合する再編計画を公表した.これらは行政改革(以下,行革)の一部である.
日頃の私の政治への関心は低いものであったが,このように少し行革に興味が出たときに,書店で面白い本に出会った.それが今回紹介する『小説・土光臨調』である.これには臨時行政調査会(以下,臨調)の発足から,中曽根康弘氏がこの行革推進路線で政権の座に就くまでの過程が語られている.
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