特集 第17回自治体に働く保健婦のつどい集録
危機的状況にある母子保健と保健婦
―基調講演―保健婦は今,何をすべきか—臨調「行革」と地域の実態
二宮 厚美
1
1大阪外語大学
pp.488-496
発行日 1985年7月10日
Published Date 1985/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207017
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仕事起こしの意義
仕事を起こすというスローガンが,みなさん方の胸に響いてくる理由の最大のものは,今自治体に働く方々の仕事が奪われようとしているからです。行政改革とは行政の守備範囲の見直しと称して野球にたとえると9人が地域を守っていたところを,3人,4人で守ればいい,あとの人はベンチ入りせい,そういう攻撃が,保健所だけでなく,自治体のあらゆる職場に出てきた。さあ,それと戦うためには,自分たちの職場を守る意味でも,地域の中で新しい仕事を起こしていかなければいけない。仕事起こしは新しい地域づくりでもある。
今日,地域は古い農村,新しい都市どちらも子供の非行問題や,健康悪化の問題や,家族問題,自然破壊の問題など,様々な面で荒れてしまっている。生活が将来の見通しをもって地域の中で育っていかずみんなで力を合わせてもう一度新しい地域づくりのテーマに協力し合って取り組まなければいけない。その際仕事を起こすということは,新しく地域の中に生まれてきている要求(needs),潜在的な欲求を掘り起こして,自分たちのやりがいのある仕事に組み立てていくことを意味しています。
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