けんさアラカルト
老人に対する検査のあり方
江戸 一
1
1三村病院検査室
pp.1218
発行日 1986年10月1日
Published Date 1986/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203892
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1.高齢化社会と検査
我が国の平均寿命は,年を追うごとに延長し,人生80年の時代といわれ,高齢化社会へ突入したといえる.現在の高齢化社会の現状は全人口の10%であるが,近い将来20%を越える時代へ急増する.ある文書によれば,8万人に満たない佐渡島では,すでに20%にもなり,これは長命時代になったうえに,若者が大都会へ移った結果であるという.
その移住先の一つである東京都では,最近1年間で65歳以上の高齢者が3万人近く増え,2〜3年後には100万人を突破すると推定される.その半面,14歳以下の年少人口は220万になり,大都市の高齢化も容易ならぬ形相を呈してきた.このような高齢化社会に伴って,老人の有病率,受診率も高くなり,また入院生活も長く,寝たきりになる割合も高くなってきている.
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