技術講座 生化学
ポルフィリン体
佐々木 英夫
1
1山形大学第3内科
pp.719-725
発行日 1981年9月1日
Published Date 1981/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202341
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ポルフィリンは,図1のごとく四つのピロール核がメチン橋で結合した環状構造を持つ桃赤色の生体色素である.生体内では金属と結合した金属ポルフィリンとして存在し,大半は2価鉄の結合したヘム型であり,さらにグロブリンなどの蛋白と結合してヘモグロビンなどヘム蛋白やヘム酵素として機能している.
ポルフィリンは側鎖にあるCOOH基の数により8個から2個の群に分けられ,ヒトでは8個のウロポルフィリン(Uro),4個のコプロポルフィリン(Copro)と2個のプロトポルフィリン(Proto)が大切である.UroとCoproは側鎖の位置により4個の異性体があるが,ヒトではI,III型しかなく,ヘムに利用されるのはIII型のみである.Protoは15個の異性体があるがヒトではIII型系のIX型が重要である1,2).
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