病気のはなし
ポルフィリン症
佐々木 英夫
1
,
蛯谷 功
1
,
片桐 忠
1山形大学第3内科
pp.938-945
発行日 1978年12月1日
Published Date 1978/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201742
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ポルフィリン症(porphyria)は遺伝性代謝疾患の中では最も研究の進んだ分野の一つである.本症はポルフィリン代謝障害に基づく症状が主体となり,ポルフィリンないしその前駆物質(ポルフィリン体)を大量に産生し,排泄する疾患である。最近では後天的にも種々の薬剤や疾患によっても生ずることが分かり,実験的ポルフィリン症の作製にも応用されている.しかし,肝炎や癌などの基礎疾患があり,尿ポルフィリンが増加するが,そのための臨床症状を呈さぬポルフィリン尿(porphyrinuria)とは一応区別されている.
ポルフィリン症の分類は表1のごとく,ポルフィリンの代謝障害のある臓器の差により,骨髄型,肝型及び骨髄肝型の3つに分けられ,更に増加したポルフィリンの種類や原因によって細別される.しかし,臨床的には光線過敏症を呈する皮膚ポルフィリン症と急性腹症,四肢麻痺,ヒステリーなどを呈する急性ポルフィリン症に分けるのが実際的であり,以下それ沿って述べる.
Copyright © 1978, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.