技術講座 血液
白血球の特殊染色(IV)—βグルクロニダーゼ,亜鉛
古沢 新平
1
,
及川 信次
2
1独協医科大学第3内科
2独協医科大学病院中央検査部
pp.726-730
発行日 1981年9月1日
Published Date 1981/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202343
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βグルクロニダーゼ染色
1.原理
ホスファターゼなどと同様ライソゾームに含まれる水解酵素の一つであるβグルクロニダーゼ(BG)の染色原理は,やはりアゾ色素法によっている.
すなわち,基質として用いられるのはナフトールAS-BIグルクロナイドで,BGの作用により分解して生じたナフトールAS-BIがジアゾニウム塩と結合し,アゾ色素となって発色する.用いられるジアゾニウム塩は報告者によって異なり,Lorbacherら1)はヘキサゾニウム・パラロースアニリン,朝長ら2)はファストレッドバイオレットLBを用いているが,後者は現在市販されていない.我々はファストレッドITRを用いて良い結果を得ている.現在欧米で最もよく用いられている染色法はLorbacher法1)あるいはその変法であるが,我々は調製の若干煩雑なヘキサゾニウム・パラロースアニリンに代えてファストレッドITRを用い,その他はMachinら3)の変法にほぼ準じ,染色性,鋭敏性,鮮明さともに優れた成績を示し得たので,この方法を解説する.
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