臨時増刊特集 診断基準とその使い方
V.内分泌・代謝疾患
ポルフィリン症
佐々木 英夫
1
,
蛯谷 功
1
1山形大第3内科
pp.1935-1939
発行日 1977年12月5日
Published Date 1977/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207557
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概念
ポルフィリン症(porphyria)はポルフィリン代謝障害に基づく症候が症状の主体を占め,ポルフィリンないしその前駆物質を多量に産生し,排泄する疾患と定義されている.これまでポルフィリンの先天的代謝異常によるとされていたが,最近では後天的にも種々の疾患や薬剤によっても二次的にも生ずることが判明している.しかし,癌や肝炎などの原因疾患があって二次的に尿ポルフィリンが増加するが,ポルフィリン代謝自体による症状を呈さぬポルフィリン尿症(porphyrinuria)とは一応区別されている.
ポルフィリン症の分類は表1のごとく,ポルフィリンの代謝障害のある臓器により骨髄型と肝型に2大別され,それぞれ増加するポルフィリンの種類や遺伝性,原因などにより細別されている.しかし,症候的には光線過敏性皮膚炎を呈する皮膚ポルフィリン症と急性腹症,四肢麻痺,ヒステリーなどを呈する急性ポルフィリン症に分けられ,臨床的にはむしろこの分類が重要なので,以下それに沿って述べたい.
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