技術講座 一般
尿沈渣における上皮細胞の分類と鑑別
稲垣 勇夫
1
1木曽川病院検査科
pp.563-571
発行日 1980年7月1日
Published Date 1980/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202092
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尿中に出現する上皮細胞とは
尿中に見られる上皮細胞は尿を生成する腎,運擴する尿路及び尿路に近接する生殖器の各組織より由来する(表).
腎臓系の細胞は腎小体を除くと扁平,立方及び円柱形の一層の腎尿細管上皮細胞(以下腎上皮)より構成されている.通常,この細胞が尿中に出現すると言われている.(腎小体や間質を構成する細胞は出現しないと考えられているが,まれに円柱の外縁に間質由来の細胞とも考えられる線維状の細胞が封入または付着していることがある.)腎上皮は電顕上からみて各部位により図1のように特徴がある1).しかし,尿中に剝離した場合,様々な形に変化して鑑別は不可能である.円柱内に封入されている腎上皮も原形をとどめていないものも多い.
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