病気のはなし
胃癌
渡辺 幹雄
1
1京大第1内科
pp.886-892
発行日 1977年12月1日
Published Date 1977/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201508
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日本は胃癌の最多国であることはよく知られた事実である.しかも以前から胃癌の治療法は手術のみに限られてなお現在に至っているから,胃癌の早期発見のための診断法の確立が日本人の悲願であることは昔も今も変わりない.一方血液中の成分の分析を主とする臨床病理学的検査法の進歩により,ほとんどの病気がその手がかりを与えられてきたにもかかわらず,こと胃癌に関しては出血により貧血を呈する以外その手がかりはなく,またその他の検査にて悪性腫瘍であろうという時には既に上腹部に腫瘤を触れる,ほとんどが治療効果の期待できそうもない進行癌であるのが悲しい事実でもある.
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