今月の主題 外科から内科へのメッセージ
癌の外科治療とその限界
胃癌
千福 貞博
1
,
磯崎 博司
1
,
中田 英二
1
1大阪医科大学一般・消化器外科
pp.986-989
発行日 1994年5月10日
Published Date 1994/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402902743
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ポイント
●縮小手術,拡大手術とも胃癌根治であるための必要十分条件を満たす手術を目指している.
●縮小手術は術後胃の貯留・消化機能の減退を少なくする長所を有するが,癌の進行程度の判断を誤れば根治性を失いかねない手術であるから,適応の決定は慎重でなければならない.手術手技に関する限界はない.
●拡大手術は腹部大動脈周囲リンパ節や他臓器を合併切除する術式で,進行癌といえども切除範囲内に癌進展がおさまっている場合は生命予後の改善が望める.しかし,根治性のない場合は,この手術はQOLや予後の面から考えて無駄な処置となる.
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