技術講座 生理
スパイログラフィーによる肺換気機能検査のコツ
石山 陽事
1
1虎の門病院臨床生理検査部
pp.68-69
発行日 1974年1月1日
Published Date 1974/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200355
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口または鼻から吸い込んだ空気は,喉頭→気管支→気管支枝→細気管支→終末細気管支→呼吸細気管支という経路を通って最後に肺胞に至る.そこで肺胞を取り巻く毛細管内の血液に肺胞内の空気にある酸素(O2)が移行する.また血液中の炭酸ガス(CO2)は逆の経路をたどって口から吐き出される.これが肺の働きであるが,肺胞の空気の出はいりに最も重要な役割を果たしているのが肺の弾性と胸郭およびそれに付随している呼吸筋である.したがってこれらのいずれかになんらかの原因で機能障害が起きると,肺胞での換気が悪くなり血液中にはCO2が蓄積し,02が減少する.
呼吸機能検査は肺の疾患をはじめとして,呼吸機能との関連のありそうないろいろな臨床症状の原因を,あらゆる角度から調べようとするもので,具体的には,(1)換気機能検査,(2)肺容量区分の測定,(3)肺内ガス分布,(4)肺拡散能力,(5)血液ガス分析,などの検査に分けて行なわれている.
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