Japanese
English
装置と方法
スパイロによる機能的残気量の記録とその測定法
Direct Display of Functional Residual Capacity on Spirographic Tracing
大久保 隆男
1
,
高橋 寛
1
,
吉田 功成
2
Takao Ōkubo
1
,
Hiroshi Takahashi
1
,
Koseh Yoshida
2
1秋田大学医学部第二内科
2秋田大学中央検査部
12nd Dept, of Int. Med., Akita Univ. Sch. of Med.
2Dept. of Clinical Pathology and Laboratory Medicine, Akita Univ. Sch. of Med.
pp.613-618
発行日 1973年7月15日
Published Date 1973/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202507
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
換気量,肺活量などの呼吸に伴なう空気の動きとその限界は,いわゆる"spirometric"な方法で測定されるが,肺内にある空気量は最大呼気後もその一部が呼出されずに残るために,いわゆるスパイロメトリーでは測定することができない。従って,この最大呼出後も肺内に残る空気量,即ち残気量の測定については早くより関心がもたれ,1800年代初頭より,いろいろな測定法が開発されて来た。現在の肺生理学の概念,研究課題の中にも肺気量の測定に関連して発生,発達して来たものが少なくない。
そのような歴史的うらづけもあり,臨床的な意味での残気量の測定は数ある肺機能検査法の中でもスパイロについで議論の少ないものの一つである。とは言え,残気量,機能的残気量,全肺気量などの本検査法から得られる一連の肺気量分劃の値は,すべての肺機能検査成績を評価する際の基礎となるものであり,もっとも頻用される検査諸量の一つである。その意味では現在用いられている方法は,必ずしも十分に簡単とは言い難い面もあり,肺機能検査の日常臨床への普及の面からさらに測定法上での工夫が必要かと思われる。
Copyright © 1973, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.