技術講座 微生物
腸管寄生原虫類の遺伝子検査法
𠮷川 尚男
1
,
橘 裕司
2
,
所 正治
3
,
阿部 仁一郎
4
1奈良女子大学理学部生物科学科
2東海大学医学部基礎医学系
3金沢大学医薬保健研究域医学系寄生虫感染症制御学
4大阪市立環境科学研究所微生物保健担当
pp.478-486
発行日 2012年6月1日
Published Date 2012/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103550
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新しい知見
腸管寄生原虫類の多くは人獣共通感染性であり,感染症法の五類に指定されているアメーバ赤痢,クリプトスポリジウム症,ジアルジア症は全数把握の届け出対象疾病である.しかし,非病原性のEntamoeba disparは通常の糞便検査法による顕微鏡観察では赤痢アメーバ(E. histolytica)と形態的に区別できない.また,ヒトに感染するクリプトスポリジウム,ジアルジア,ブラストシスチスには,遺伝的多型が知られており,遺伝子解析の研究が進むにつれて,別種やさまざまな遺伝子型や亜型に分類されている.
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