病気のはなし
狭心症・心筋梗塞
森 文章
1
1国立病院機構横浜医療センター循環器内科
pp.470-477
発行日 2012年6月1日
Published Date 2012/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103548
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サマリー
狭心症・心筋梗塞は,心臓の栄養血管である冠動脈の狭窄,閉塞により引き起こされる.心筋の非可逆的壊死を伴うものが心筋梗塞で,伴わないものが狭心症である.狭心症は,心筋梗塞に移行する危険の高い不安定狭心症と,安定した状態の労作性狭心症に分けられる.心筋梗塞は突然発症し,人の生命に危機的状況をもたらす疾患である.一刻を争う急性期の治療が重要になる.CCU(coronary care unit)などの集中治療室の普及,再灌流療法の進歩で救命率は以前に比べ向上している.不安定狭心症では,心筋梗塞に移行させないことが治療の目標となり,早期の介入を行うことが予後の改善につながる.狭心症,心筋梗塞の予防には,動脈硬化の予防が大切であり,スタチン製剤や抗血小板薬の使用が注目されている.
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